BtoB事業会社でインハウスWebデザイナー×マーケターをしているいくらです。今回は自社サービスサイトからの問い合わせ件数を、1年で4倍、2年で10倍にした施策の記録です。
先に実施した施策について言っちゃいますと
1)Web広告の全面見直し
2)Webサイトのリニューアル
3)LPの新規作成
です。特にユニークな施策をうったわけではありません。
ひとつづつ掘り下げます。
1)Web広告の全面見直し
2年前の当時、GoogleとYahooでリスティング広告・ディスプレイ広告をインハウスで配信していました。運用していた前任社員が辞めた後、取り急ぎ来てくれた派遣デザイナーさんがWeb広告の知見がまったくないままなんとなく運用し毎月入金だけしている状態でした。また、部署の上長もWeb広告の知見がなく「広告はWebサイトに来てもらうためのもの」という認識しかありませんでした。そのためCVの計測が設定されておらず、どれだけ広告がクリックされたかしか見ていない状態でした。
そのWeb広告の運用をまきとり、まずは計測から整えました。KPIを「問い合せ獲得」に設定し、サンクスページを新たに作成、問い合わせ完了後に自動遷移させCVポイントとしてCVタグを埋め込みました。
それからリスティング広告のテコ入れです。成果の出ていない無駄なワードを停止したり、新たにキーワードを追加したりという一般的なチューニング。ただしこの時点ではCVデータがないので成果の判断はCTRのみでした。広告文もすべて見直しました。数年前に設定したまま使われ続けている広告文は古い仕様の文字数のままだったので、近年拡張されたテキスト枠をフルに使いました。また広告表示オプションも活用しました。
これだけで、翌月には問い合わせ件数が2倍になりました。
BtoBではWeb広告で成果がでない、という声も良く見聞きしますが、着実にCVを増やしていきました。
2)Webサイトのリニューアル
Web広告の見直しと同時にWebサイトのリニューアルも進めました。20ページほどのサービス紹介サイトで5~6年前くらいに作ったらしく課題だらけ。この規模なので外注には出さず、私一人で設計・デザイン・コーディングを行いました。制作期間3.5か月、リリースは2018年11月。
【主な課題】
・レスポンシブ化されていない(PCのみ表示対応)
・BtoBにふさわしくないデザイン
(C向けのようなカジュアルタッチ・彩度高すぎなトンマナ)
・トップページが少し前に流行ったグリッドレイアウトデザインで情報が分かりにくい(メディアサイトじゃないんだから…)
・わかりにくい導線、ナビゲーション
・顧客のニーズ関係なく複数の情報が1ページにまとめられていた
・サービスと無関係のオウンドメディア等のリンクをこれ見よがしにフッターに追加してアピール(気持ちはわかるが。。)
・埋め込まれていたGoogleMapがエラー吐いてた
・Flashがいまだ使われていてエラー吐いてた
etc…
突っ込みどころ満載でやりがいまんたん。デザインも情報設計も根本から見直しました。特にレスポンシブ。BtoBビジネスの場合、閲覧ディバイスはやはりまだPCが多いです。しかし近年のモバイルファーストインデックスを考えるとほっとくわけにはいきませんし、少ないながらもモバイル閲覧ユーザーがいるので、言うまでもなくレスポンシブ化はマストです。
ところでWebサイト内に少し違和感のあるページがありました。そのページだけなぜかCTA(問い合わせに誘導するボタン)が複数設置されていて、他のページとは情報設計が異なっているのです。しかしグロナビに導線がありれっきとしたサイトの1ページになっています。へんなの。
それもそのはず、そのページがWeb広告からのランディングページに設定されていたのです。
こりゃだめだ。
Webサイトの1ページが広告からのランディングページに適さない(例外もある)理由はいくつかありますが、ひとつはファーストビューにグロナビ=離脱リンクがあることです。ファーストビューの情報量が多すぎると広告から流入してきたユーザーはどこを見ていいかわかりません。
LPを新規作成することにしました。
3)LPの新規作成
広告からの流入先用にLPを新規で作ることにしました。
基本的にLPは本Webサイトとは分けて作るのが一般的で、サーバー内では/lp/のようにディレクトリをきって作ったりします。
今回新たにLPを作るにあたり、見込み顧客のニーズ別にまずは2種類作ることにしました。ざっくりいうと「新規導入」か「すでに導入していて他社から切り替えを検討している」かの違いです。問い合わせを獲得するにはニーズに合った情報を見せることが重要です。
LPの情報設計はまずは一般的な勝ちセオリーにのっとって作成しました。途中にCTAを置くことも忘れていません。
1)ファーストビューでの訴求とCTA
(広告と連携したキーワード・イメージ・実績数字等のアピール)
2)顧客のニーズの列挙
3)当社のサービスでの解決策
4)当社の規模感の情報(=安心感)
5)契約のフロー
6)お問い合わせ(LP一体型)
もちろんLPもレスポンシブで作成しました。これによってこれまでPCにしか配信できなかったWeb広告をリミッター解除してすべてのディバイスに広げて配信することが可能となりました。
結果
これら施策によって順調にCVおよび問合せ数を伸ばし、
2年後には10倍の問合せ獲得につながりました。
でも私はこれでやっとスタート地点に立ったと思っています。大事なのはここから。Web広告もWebサイトもLPも、常にPDCAを回し改善していいかないとあげた数値はあっという間に下がっていきます。
これを面白いととるか、しんどいととるかは・・・あなた次第です。
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