インハウスWebデザイナーに必要なスキル

Web担の仕事

インハウス(事業会社)のWebデザイナーは制作会社(受託)のデザイナーとは異なるスキルが必要です。この記事はインハウスデザイナーになりたい人、またインハウスデザイナーを採用したい事業会社向けの内容になっています。

インハウスWebデザイナーに必要なスキルをマンダラチャートにしました。

会社によって変わってくるのでこれは一例ですが、大きく8つに分かれます。重要な順に並べると下記のようになります。
・Web運用
・デザイン
・コーディング

・ディレクション
・情報収集

・Webマーケティング
・サーバーサイド
・システム開発(CMS)

・Web運用

インハウスWebデザイナーにとって、Web運用はWeb制作よりも実は重要だったりします。Web制作にかける時間より、既存Webサイトの更新や修正などのWeb運用にかける時間のほうが多いのがインハウスです。CMSを使ったコンテンツ更新も含まれます。
採用する側は「運用は事務的作業だからWebデザイナーでもできるだろう」という考えで採用することが多いです。
「デザインをしたくて入社したのに更新作業ばかりで思っていたのとは違った」というのがインハウス採用ミスマッチあるあるです。
Web運用とWeb制作はまったく異なるスキルが必要です。Webサイトを運用するということは、Webサイトを使って事業に貢献する成果をあげることであり、本気で取り組むと大変奥が深い仕事です。しかしそれに興味を持つWebデザイナーは多くはありません。

・デザイン

インハウスWebデザイナーに期待されている業務の中心はやはりデザインです。Webサイトのデザインはもちろん、会社によっては広告バナーやLP、ロゴやイラスト制作、さらにはチラシやパンフレット、パッケージなどの紙のデザインも任されることがあります。
このようにジャンルが広いので要求されるデザインレベルはあまり高くありません。たいていの場合、デザインの良し悪しを判定できる人がいないためです。
Webと紙のデザイナーを分けて採用しているところは、余裕のある大企業クラスです。

・コーディング

インハウスWebデザイナーはコーディングスキルも求められます。コーダーと分けて採用することは少ないのです(会社によってはコーダーを派遣等で置いている場合もある)。ただし、ゼロベースでタグうちで作り上げる高度なコーディングスキルは必要ありません。すでに完成されているWebサイトの更新や修正、新たにページを追加する等の運用作業ができるレベルであればOKです。もちろんゼロベースで作れるに越したことはありません。

・ディレクション

インハウスのWeb制作はその規模によっては外部の制作会社に委託することがあります。その際、インハウスデザイナーは制作会社の選定やコントロール、社内調整、予算管理などをする必要があります。要はWeb制作のディレクションです。これも重要な業務ですが、Web制作は年がら年中あるわけではありません。会社によりますが2~3年に1度といったところでしょう。

・情報収集

情報収集のスキルも意外と重要です。常にアンテナを張ってWebやデザインに関する情報を取り入れていく意欲を持っていないと、事業会社の場合、それら情報はどこからも入ってこないからです。情報収集やスキルアップは自ら意識して行っていく必要があります。また入手した情報を社内に向けて積極的に共有すると良いでしょう。

・Webマーケティング

Webサイトを作って運用するまでがインハウスWebデザイナーに期待される主な業務ですが、Webマーケティングのスキルもあると一目置かれます。SEOの知識やMA(マーケティングオートメーション)ツールの活用、SNS、Web広告の配信などなど。
多くの中小事業会社では、Webを事業に活用するデジタルマーケティングに弱い傾向があります。それに甘んじず、自ら提案していく姿勢があると重宝されます。

・サーバーサイド

サーバーサイドの知識も必要です。Webサイトを立ち上げる際のサーバーの選定や設定を自ら行う必要があります(会社による)。
自分でレンタルサーバーを契約してコントロールした経験があるとスムーズです。

・システム開発(CMS)

システム開発としましたが、主にCMSの知識です。メジャーなWordPressやMovableTypeの経験があることが望ましいです。CMSのインストールやセッティング、CMSサイトの構築経験があると有利です。
また自社サイト制作において、CMSを使わない場合もありえます。簡単なお知らせ機能くらいであれば制作会社がオリジナルでシステム構築することがあります(これをスクラッチ開発という)。自分で開発するスキルは必要ありませんが、かかわった経験があるとよいです。

すべてのスキルが揃っている人材はほとんどいないのが現状です。採用側はすべてを求めず妥協して採用することが必要でしょう。スキルは入社してから身に着けることも可能なので、インハウスになりたい人は未経験分野でも意欲を見せることが大事です。

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