インハウスWeb担当によるWebサイトリニューアルの記録１依頼先の選定

自社コーポレートサイトのリニューアルを制作会社に委託したプロジェクトを振り返って成功や失敗、学びを記録する。プロジェクトの規模は、予算約700～800万、制作期間約10ヵ月、関わった人員７~８人。

私の立場：
BtoB事業会社のWeb担当。チームは2人でリーダー。デザイン・コーディングができディレクター寄りの職務を担っている。入社３年目。

対象のWebサイト：
約100ページのコーポレートサイト。お知らせ部分のみCMS（MovableType６）を使用。6年前に作られたサイトでマルチディバイス対応されていないことが課題のひとつ。また長年の運用の中でTOPページが関連サイトのバナーをたくさん張り付けたリンク集状態になっていた。とにかく早く何とかしたいと思っていた。
コーポレートサイトのリニューアルは、私がこの会社に入社した2017年の時から課題としてあがっていた。しかし運用している小規模なサイトが他に多数あったためにそちらの改修を優先。もろもろ一段落したのが2019年夏。それまでの間に数社の制作会社からコーポレートサイト改修に関する売り込みがあり話半分で打ち合わせをする機会はあった。その流れで夏以降本格的に依頼先探しを開始した。正直どう探せばいいのか皆目見当がつかなかった。

RFP(提案依頼書)の作成

依頼先を探すにあたりまずRFP(提案依頼書)を作成した。以前売り込みに来た制作会社からRFPの重要性を説明されていたことがきっかけだ。その会社ではRFP制作だけを請け負うサービスもやっていると言ってたが数十万かかるという話。今回は内製することにした。初めてのRFP作成なのでいろいろ調べながら進めA4で4ページくらいの簡単なものを作成した。

依頼先の選定

RFPとともにいくつかの制作会社に打診してまずは話を聞いてみることに。
・A社：現自社コーポレートサイトを作った制作会社（業界大手）
・B社：現在のひとつ前のコーポレートサイトを作った制作会社（業界大手）
・C社：自社イントラサイトを作った制作会社（オリジナルCMSを持つ）
・D社：社員が参加したWeb制作セミナーを主催していた制作会社（中堅）
・E社：自社の別のWebシステムを作ったシステム寄りの会社（仲良し）

決めるにあたりコンペはあえてやらなかった。元制作会社（紙系）にいた人間として「提案・デザインはタダ」という風潮が嫌だったからだ。RFPをもとに見積りだけ出してもらった。
結論から言うとこの中から決めたのはD社だ。見積り、実績、意欲、担当者など総合的に判断した、、というよりポイントは「見積り」と「意欲」だった。A~C社はすべて1000万円越えだったところ、D社は700万。現在のコーポレートサイトが400万だった（6年前で非レスポンシブ）ので２倍以上価格の稟議がすんなり通ると思わなかったというのがある（上長を説得する自信がなかった）。またD社は担当者の意欲も高かった。提案は不要と言ったにもかかわらず提案書やラフデザインを積極的に出してきたのだ。若手ではあったがその意欲に任せてみたくなった。過去の制作実績をみるとまぁまぁ名の通った会社のサイトを作っていたし、D社のセミナーに参加した社員の後押しもある。
逆に印象が悪かったのは現在のサイトを制作してもらったA社。「1300～1500万はないとウチではやりません」と仕事を取ろうという意欲もなかった。すっかり大手になって大規模サイトしか受けていない様子だった。ちょっと悲しかった。
E社はなれ合いの中での提案だったのだが、以前からデザイン面が弱いことが分かっていたので見積は良かったが採用には至らなかった。
ちなみに見積り最安値は上記リストには入れていないが100～200万。印刷系制作会社でWebチーム3名のみでWebの仕事をやっているという会社さん。他の小規模サイトでお世話になった。このプロジェクトもやりたいという意欲は見せていただいたがこの規模を任せるのは無理と判断。

D社について：
社員数200名ほどの規模の制作会社。今回のプロジェクトにはプロデューサー、ディレクター、デザイナー（１＋α）、コーダー（数名）がかかわる。打ち合わせに毎回来るのはプロデューサー、ディレクターの２名のみ。ディレクターは新卒2年目という若手でプロデューサーはベテラン。

このフェーズでの学び：
・RFPの作成
・依頼先の選定
・最近のWebサイト制作の予算感